Loading...

KINAN CYCLING

NEWSNEWS

LINE@会員限定記事特別公開「The ROOTS Vol.4 新城雄大」

2019年シーズンにチーム公式LINEでお届けした連載「The ROOTS」。
選手の生い立ちやロードレースへの思いに迫るスペシャル企画。
本来はLINE@会員限定の有料記事ですが、2019年シーズンの熱い応援にチームとして感謝すべく、期間限定でチームWEBで公開中です。
全9回、第4回は新城雄大選手です。

記事の内容は有料記事公開時点のものとなっています。
なお、これらの記事は予告なく公開終了となることがございますので、何卒ご了承ください。
---
The ROOTS Vol.4 新城雄大
誰もが認める潜在能力。
それを引き出すのはレース経験と自身の向上心。
自らの走りをもってその世界を変えてきた。
そしていよいよ、求められるのは“勝利”ただ1つとなった。
-新城 雄大 あらしろ ゆうだい-
1995年7月3日生まれ・沖縄県出身
176.5cm・65.5kg
脚質:パンチャー、ルーラー
主な実績:2019年ツール・ド・インドネシア第3ステージ3位、2018年全日本自転車競技選手権ロードレース3位、2018年全日本自転車競技選手権アンダー23個人タイムトライアル優勝
■果敢さ失わず目標達成

 2019年8月のツール・ド・インドネシア。KINAN Cycling Teamは第1ステージから常に前線でレースを展開。新城雄大もたびたび先頭グループでレースを進め、その第1ステージではチームリーダーたちを上位でフィニッシュさせる好アシストを見せていた。

 今までであれば、その働きは「よくやった!」で終わっていたかもしれない。ただ、この大会ばかりは、いくつもの役割が新城に課されていたのだった。

 第3ステージ。大会の半ばでやってきた平坦ステージで、新城には再び逃げのオーダーが与えられた。それは、総合上位につけるエースたちの動向に左右されるものではなく、あくまでも彼個人のチャンスを膨らませるためのものだった。前日のステージで役割をこなした後、大きく遅れてフィニッシュしており、総合争いに絡むことはまずなくなった。彼が目に見える成果を残すには、逃げからステージ上位を目指すしかなかったのだ。

 スタートして早々にレース全体が落ち着いたこの日、新城はもくろみ通り逃げ切りを決めた。ただ、レース終盤にはステージ優勝争いにも加わったものの、マークしていた選手に力負け。その選手の強さを知っていながら、いざ勝負となったところで引き離されてしまった。

 結果は3位。大事なところで取りこぼしたあたりに課題を残したが、一方で「個人でのUCIポイント獲得」という今シーズンの目標は達成した。

 収穫と課題、双方が彼の心を渦巻き、複雑な気分で表彰台へ上がった。この気持ちを晴らすのは、自分の走りでしかない。とはいえ、目標達成の背景には、どんな時でも果敢さを崩さずに走り続けてきたからであること、それだけははっきりとしていた。
■現実とイメージとのギャップを縮め続ける

 このレースでは、エースのトマ・ルバが個人総合優勝。「チーム全員で力を合わせて成し遂げた美しい勝利」と語る中には、もちろん新城の働きも含まれている。UCIアジアツアーならではのタフなレースにあって、レース全体をコントロールした新城の働きなくして、トマが表彰台の頂点に立つ姿は見られなかったかもしれない。

 チームの一員として勝ったことを喜ぶ一方で、「次こそは」と思う自分もいる。年々、自身のレベルアップを感じ、いつでも勝負できる手ごたえがあるからこそ、勝利をつかむ自らの姿をイメージできる。現実と、抱いているイメージ。その距離を縮めていくことが、彼にとってレースを行ううえでのモチベーションになっている。

 もちろん、これまで何度も勝てるチャンスはあった。2018年の全日本ロードでは、エリートカテゴリー1年目での3位入賞に大きな喜びを感じつつも、終盤に脚が攣り、できることが限られてしまったことが悔しかった。スマートさを欠いてフィニッシュ前での駆け引きに敗れたこともある。そのたびに、力のなさや経験の浅さを痛感させられた。

 打たれても倒れても、立ち上がって走り続けられるのは、どんな結果に終わろうとも「目の前にあるレースを懸命に走った」との事実があるから。だからこそ、その先に日々イメージする勝利の瞬間が待っているであろうことを信じ続けられるのである。
■夢のツール・ド・おきなわ優勝へ

 ツール・ド・フランスをはじめ、グランツール出場12回を誇る日本ロードレース界の英雄、新城幸也選手と同じ「あらしろ」なら、出身地も同じ沖縄県・石垣島。もっとも、自転車競技を始めたきっかけが幸也選手のお父さんの影響だという。いまも、幸也選手が独自で行っているタイでの合宿に同行するなど、身近にスーパースターを見ながら走ることができる環境を持つ。

 例年最後のレースとなる「ツール・ド・おきなわ」への思いも人一倍。このレースでの優勝が夢だとも語る。出場時には地元のファンが集まり、昨年のレース後には多くの人に囲まれた。もちろん、今年もシーズン後半の目標レースに据えている。昨年は疲労やフィジカルコンディションの不良もあり、力を発揮できなかったが、今度はそれを繰り返さない。おきなわに調子のピークを持っていけるよう、スケジュールから見直している。

 チームのエース、トマにして「雄大はいつか絶対に強くなる」。それは元来持っている能力はもとより、勝つために必要な意志の強さや向上心の高さを評価してのものでもある。いわば、プロライダーとして必要な資質を有していることを意味しているのだ。
■“未来”を切り拓くために

 レースやトレーニングを離れれば、漫画やアニメ、スマホゲーム、読書で息抜き。海外遠征でも、ONとOFFを切り替えるアイテムとして必携だ。オフになると、そんな趣味だけに没頭することもしばしば。好きなことに費やすことのできる時間が大好きだ。

 でも、やっぱりどんな時であろうと頭の片隅には自転車のことがある。かつては海上保安庁で働くことを目指したことがあるというが、いまとなっては他のことが考えられないほどに自転車に入り込んでいる。「できるだけ選手を続けていたい」それが彼の偽らざる思いである。

 だからこそ、キャリアに燦然と輝くモノが欲しい。「成長させてもらえるチーム」と評するKINAN Cycling Teamの一員として高いレベルで走る中で知った、自らの未来を切り拓くためには勝つしかないこと。

 新城雄大の“未来”を決定づける戦いは、もうすでにゴングが打ち鳴らされている。
Interview: Haruka YAMAMOTO
Edit, Photos, Produced: Syunsuke FUKUMITSU

September 18, 2019
SHARE THIS:
  • FaceBook
  • Twitter
  • LINE
RELATED RIDERS: