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KINAN CYCLING

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Flashback to victory-中島康晴個人総合優勝 スリランカ Tカップ2018第3ステージ

過去の名レースをプレイバックする企画「Flashback to victory」。
現所属メンバーの勝利レースをレビューしていきたいと思います。

第3回は前回に続き、2018年5月のスリランカ Tカップから、中島康晴選手が個人総合優勝を決めた第3ステージのレポートを。

最終局面まで委ねられたリーダージャージの行方。
劇的な幕切れとなった“セイロン島の奇跡”を振り返ります。
■まえがき

第1ステージを終えて中島康晴選手がリーダージャージを獲得。
続く第2ステージは大会唯一の中級山岳ステージでしたが、混戦の中から総合争いに関係しない選手の逃げを容認したうえでジャージを堅守。
チームはスマートな戦いぶりを見せていきます。

この頃には、KINAN Cycling Teamとカザフスタンの強豪であるヴィノ・アスタナモータースのチーム力が際立ち、両チームによる一騎討ちの様相となっていました。
どちらかが動けば、どちらかがチェックに入る…そんな一進一退の攻防は、最後の最後に劇的な幕切れを呼び込むことになります。

ちなみに、レース中の写真がほとんどないのは、メディアカーがスタートから直接フィニッシュ地に向かっていたことが理由。
チームカーから逐一送られてきていた戦況を頼りに、選手たちのフィニッシュ到着を待っていました。

-メディアオフィサー 福光俊介
中島康晴がスリランカ Tカップ個人総合優勝
ライバルの猛追を1秒差で振り切る劇的勝利
●スリランカ Tカップ(SRI LANKA T-CUP、UCIアジアツアー2.2)
第3ステージ キャンディ〜ニゴンボ(Negombo) 118.5km

●KINAN Cycling Team出場選手
中西健児
雨乞竜己
トマ・ルバ
中島康晴
新城雄大
KINAN Cycling Teamが出場した3日間のステージレース、スリランカ Tカップ(UCIアジアツアー2.2)は、5月6日に閉幕。
第1ステージの優勝以来、リーダージャージを着続けて最終日に臨んだ中島康晴が、その座を守り切り個人総合優勝。
最後はスプリントボーナスをかけた争いとなり、ライバルの猛追を振り切って僅差の勝負を制した。
2位の選手との総合タイム差は1秒だった。

仏教の聖地・キャンディの街を見下ろす。世界遺産にも登録される由緒ある土地でもある

スリランカを構成するセイロン島の東海岸から西海岸とを結ぶ戦いは、この日が最終日。
5月4日に始まったレースは、各ステージ100km前後と短いことも関係し、終始プロトン内での出入りが激しいものに。
KINAN Cycling Teamは、第1ステージに中島が逃げ切りでステージ優勝を決めて以来、リーダーチームの立場として戦いを続けてきた。
前日の第2ステージでは、中西健児、雨乞竜己、トマ・ルバ、新城雄大のアシスト陣が絶妙の集団コントロール。
中島のリーダージャージ堅守に大きく貢献した。

トップをゆく中島と、個人総合2位のステファン・アスタフイェフ選手(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース)との総合タイム差は、第2ステージまでを終えて3秒。
中間スプリントとフィニッシュで上位選手に付与されるボーナスタイム次第では、その差を開くことも逆転もできる状況。
今大会でも、KINAN Cycling Teamとヴィノ・アスタナモータースのチーム力が群を抜いており、第3ステージも両チームの攻防戦となることが予想された。

リーダージャージ着用の中島康晴。笑顔でスタート地へ出発

このステージは、前日のフィニッシュ地であるキャンディからニゴンボまでの118.5km。
スタートから5.8kmでこの日唯一の山岳ポイントが設けられ、その後はダウンヒルを経ておおむね平坦路となる。
ただし、前夜の強い雨により序盤の登坂区間とダウンヒル区間には泥が浮いている場所もあることから、落車やバイクトラブルには十分に注意を払う必要があった。

そんな中で始まったレースは、スタート直後からアタックの応酬。
ただし、この流れは山岳ポイントを通過する頃には沈静化。
4人が先行したのを機に、KINANが集団のコントロールを開始する。

その後も逃げを狙う選手が集団から発生するものの、容認できる選手とできない選手とをKINAN勢を中心にセレクション。
やがて総合成績に大きな影響を及ぼさない6人に逃げが固まり、KINAN勢はしばし彼らを先行させた。

しかし、33.6km地点に設けられたこの日1つ目のスプリントポイントに近づくと、ライバルのヴィノ・アスタナモータースが集団のスピードアップを図る。
スプリントポイント直前で逃げを捕らえたことから、KINAN勢も中島でのスプリントに備えるが、結果総合に関係しない選手が上位通過。
中島もボーナスタイムを狙って動いたが4位。ここでの総合タイム差拡大はならなかった。

この直後、今度は集団から7人が飛び出し、徐々にリードを広げていく。
集団のコントロールを担うのはKINAN。
最大で約3分差までリードを許容し、次なる展開へと備える。

集団のムードが変化したのは、スタートから80kmを迎えようかというタイミング。
KINAN勢のコントロールに、ヴィノ・アスタナモータース、トレンガヌサイクリングチームが加わり、逃げる選手との差を縮め始める。
3チームの思惑が交錯する中、レースは終盤戦へ。
逃げグループも最後のチャンスに賭けてペースアップ。
人数を減らしながら、先を急いだ。

フィニッシュまで残り20kmとなったところで逃げと集団とのタイム差は2分10秒。
さらに集団の勢いは増し、残り10kmでは約1分。
そして、残り5kmを迎える直前で逃げを吸収。
集団は1つとなり、勝負はスプリントにゆだねられることになった。

KINAN勢は中島での勝負に備え、本来はエーススプリンターの雨乞をリードアウト役に抜擢。
集団前方でのポジショニングで中島を好位置へと引き上げる。
そして、今大会最大のクライマックスの時を迎える。

スプリントでフィニッシュへ飛び込む選手たち。中島康晴(中央)とステファン・アスタフイェフ選手(右から2人目)が個人総合優勝を賭けて最後の勝負

長い直線を経て始まったスプリントは、アスタフイェフ選手が最前列から加速。
これをチェックするように中島も反応。
追い上げる形になった中島だったが、アスタフイェフ選手の背後につけ、両者がなだれ込むようにフィニッシュ。
ステージ優勝こそ譲ったものの、アスタフイェフ選手が2位、中島が3位となった。

3位を死守した中島康晴。ボーナスタイムが効き個人総合優勝を決定させた

この結果、アスタフイェフ選手がフィニッシュボーナスで6秒、中島が4秒をそれぞれ獲得。
総合タイム差3秒で始まった最終ステージは、わずか1秒で中島に軍配。
個人総合優勝決定の瞬間は、劇的なものとなった。

フィニッシュ後、互いの健闘を称え合ったKINAN Cycling Teamとヴィノ・アスタナモータースの選手たち

結果を知り喜びを爆発させたKINAN Cycling Teamの選手たち。
第1ステージで中島がチームに今シーズン初勝利をもたらしたが、勢いのままに新たなタイトル獲得にこぎつけた。
中島個人にとっても、UCIレースにおけるキャリア通算9勝目、そしてチームにとっては発足4年目にして初となる日本人選手でのUCIレース個人総合優勝となった。

個人総合優勝のトロフィーを掲げる中島康晴

KINAN Cycling Teamはそのほか、チーム総合で3位、スプリント賞では最終日にアスタフイェフ選手の逆転を許したものの、中島が2位。
最後までチーム力を誇示した3日間だった。

王座に就いた中島康晴をアシストした4人が囲む

スリランカ Tカップ 第3ステージ結果(118.5km)
1 モハドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) 2時間44分36秒
2 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +0秒
3 中島康晴(KINAN Cycling Team)
4 イルワンディ・ラカセク(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
5 シーン・ウィットフィールド(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング)
6 キム・ジュセク(韓国、ガピョンサイクリングチーム)
10 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) 
20 中西健児(KINAN Cycling Team) 
30 新城雄大(KINAN Cycling Team) 
41 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)  +33秒


個人総合時間
1 中島康晴(KINAN Cycling Team) 7時間45分3秒
2 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +1秒
3 平塚吉光(チームUKYO) +16秒
4 ローガン・グリフィン(ニュージーランド、ネックス・CCNサイクリングチーム) +2分38秒
5 吉岡直哉(チームUKYO) +2分45秒
6 イェフゲニー・ネポムニャフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +2分51秒
14 中西健児(KINAN Cycling Team) +3分42秒
15 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3分58秒
16 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)  +4分31秒
38 雨乞竜己(KINAN Cycling Team) +18分53秒


スプリント賞
1 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) 35pts
2 中島康晴(KINAN Cycling Team) 34pts

山岳賞
1 ジュリアン・アマドリ(フランス、チーム フランスディフェンス) 25pts
4 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)  10pts
9 中西健児(KINAN Cycling Team) 2pts
10 新城雄大(KINAN Cycling Team) 2pts


チーム総合
1 ヴィノ・アスタナモータース 23時間21分39秒
3 KINAN Cycling Team +1分26秒
※レースレポートは2018年5月6日付メディアリリースから
※レースレポートの一部に加筆・修正・削除を施しています
Race report, Photos, Re-edit: Syunsuke FUKUMITSU
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